VFR1200Fを考える。 (火曜日)
ワタシの中でいまいち、コイツの方向性というか、どこを目指してるのか、なんだかよく分からない類のオートバイであるVFR1200F。
「スポーツツアラー」っていうカテゴリーで考えると、コイツのライバルはYAMAHAではFJRとか、SUZUKIではBanditとか、Kawasakiでは…。ん…?Kawasakiではなにになるんだ? Ninja1000かそれともZZRか…??
ま、そういったオートバイ達と比べて明らかに異なった雰囲気を醸し出している。
なんというか、「中世の騎士」みたいで、どこか日本離れした感じのデザインだし、大きく張り出したタンク形状とその素材から、イマイチ使いづらそうな雰囲気だし、なんとなく「スポーツツアラー」って感じじゃないんだよな。
突如出てきた、日本離れしたデザインの、よく分からないデカいバイク。
がしかし、コイツには大きな飛び道具が一つある。
それは、「DCT」というホンダ独創のビックリドッキリメカ。
ホンダとしても初めての機構、「DCT」を積んだというコトが、コイツの社会的存在意義だったのかも知れない。
そう言えば、ホンダは以前からこういう「ラクなバイク」の方向性を模索していたような気がしないでもない。
たとえばコイツ。
多くの人達に受け入れられるかどうかは「?」だったとしても、そういうコンセプトのオートバイを作り、世のライダー達に「違った価値観」を提案する。
HONDAのこういうトコって、すげ~な~って思う。
ものの本によると、一回のツーリングでカシュッ(クラッチ)とスコッ(ギヤ)をライダーは一万回ほど繰り返してるとのこと。このカシュッスコッから開放されるだけでも、体への負担はかなり少なくなる。
ツーリングにも集中できるってもんだ。
で、話を元に戻すと、このVFR1200F。
乗ってみた感想は、
「決して面白くはないけど、これ、アリかも」
V型らしく、下からのトルクはけっこう太いし、なんていうか扱いやすい。
こんなマイルドなんだ、このエンジンって。
排気音は「バーバーバーバー」って、大型扇風機みたいで頼りないけど…。
この「音」はちょっと、好みが分かれるトコじゃないだろか。
乗ってみてまずビックリしたのは、デカイ図体からは想像もできない足付きの良さ。
CBR929RRなんかよりも、ずっといい。
ポジションも超ラク。
なんていうか、シックリくる。
乗った感じもまさに「上質」。
高級車にでも乗っているかのようだ。
クルマで言うと、よく分からんけどクラウンとかフーガとか…?
(国産車しか出てこないのが悲しい)
CBRの、ある種ゴツゴツとしたやんちゃな感じとはまったく対極にあると言っていいかも知れん。
なんか、長く走っていたくなるオートバイだ、これ。
なるほど。
コイツにDCTを付けたら、きっとこれまでにない「価値観」を持ったオートバイになるはずだ。
だからこそ、デザインもこんな風にちょっと「方向性の異なる」ものにしたのかも知れない。
VFR1200F・・・。
乗って初めて分かった。
重いしでかいけど、コイツの存在意義に価値観を見出せる人にはベストな選択かも知れない。
(得てして、選択というのはそういうものかも知れないけど)
ただ、DCTの開発費が相当乗っかってるのか、高いんだよなこのバイク・・・。